「勇者たるモノ」オンリーワンな存在なのか?

ドラクエ大百科
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王様

おお、なおきちくん 勇者ロトの 血を引くものよ!

そなたが 来るのを 待っておったぞ!

竜王を倒し その手から 光の玉を 取り戻してくれ!

これはドラクエⅠの冒頭で語られる王様のセリフですが、以降のナンバリングでもほぼ同様のセリフから、冒険の旅が始まる、いわゆる「物語の動機付け」の部分に当たります。

そして、目の前に置かれた宝箱に、”旅の支度金として120G、たいまつ、カギ”の3点セットを与えられ、世界を救う使命を拝命されるのです。

こんにちは、なおきちくんです♪

今回は、世界を救う一大事業を単身請け負わされる割には、雇い主=国王からの援助があまりにもお粗末な、ブラック企業と社畜の関係にも似た「勇者」について、考えていきます。

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世界を救う「大義」と隠れた支出

概ね、どのナンバリングもそうなのですが、特にシンプルな構造の「ロトシリーズ~ドラクエⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を主にサンプルとして使用し、考えていきたいと思います。

①王様と謁見

物語のイントロダクション部分であり、これから始まる「旅の目的」を、王様から告げられることになります。

「~勇者ロトの血を引くものよ」のクダリから推測するに、王様はプレイヤーの事を「ロトの末裔」であることを知っているかのような印象を与えています。

また、王と謁見をするシーンからスタートするあたり、自分もロトの血縁かも知れないナニガシを知った上で、王からの招へいに応じていると考えられます。

②討伐任務に対する兵站(へいたん)

「旅の支度」として、120G・松明・カギをなおきちくんは受け取ります。

国家、否、世界存亡の危機を回避するという、国家規模の一大プロジェクトにしては、あまりに兵站がお粗末な印象を受けます。

ちなみに”120G”の貨幣価値についてですが、ドラクエⅠで言えば、

「薬草=24G」✖5個分

相当に当たります。思わず「少なッ!!」とこぼしてしまいそうな金額ですが、そのまま結論付けてしまうのは早計というものです。

まず、薬草の効能「HPを30ぐらい回復させる」という点に着目しましょう。

ドラクエⅡ以降のタイトルではダメージ量が少しずつインフレ化する傾向にあり、それを補完する回復呪文「ホイミ」系の充実ぶりからあまり使用されることが少なくなったアイテムですが、初代ドラクエⅠでは、薬草は貴重品であり、レベリングと装備が適正であれば、終盤近くまで”薬草”でHPをリカバリすることが可能な優秀なアイテムなのです。

そして、一番重要な部分を皆さん見落としていると思うのですが、「HPを回復させるクスリ」=「医薬品」

であることから、

「健康保険適用」であることは想像に難くないハズです。

現在の日本の保険制度と同等と仮定すると、勇者の自己負担は3割、つまり、全額負担で「薬草」を購入しようとすると約80Gもする計算になります。

長い討伐の旅路で消費される「薬草」は相当な数に上るでしょう。

無償で「薬草」を供給する仕組みを作るとなると、勇者一人に対して何十倍もの人件費と手間、そして魔物がのさばるフィールドを移動する際に伴う危険も付きまといますので、手っ取り早く、勇者に「社会保険」を与え、保険料は雇用主であるラダトーム国王が支払い、勇者が受ける医療費をサポートしているのでしょう。

なので、目に見えない勇者に対する支出は、数万Gは上乗せされているハズです。そして、討伐完了まで仮に1年=12ヶ月掛かったとすると、一か月の保険料が2万Gだとしても年間24万G。

決して安くない支出だと思います。

③おおなおきちくんよ 死んでしまうとは なさけない・・・

現実世界と大きく異なる点はここなのですが、旅の途中で死亡してしまったとしても、「王の御前」、あるいは「教会」で生き返り、冒険の続きを仕切りなおすことになります。

ストーリー中に出てくるNPC=プレイヤーが操作しないキャラは、死んでも生き返る事はありません

これらが意味すること、それは、「勇者・およびその眷属」は任務達成までの時限付きで、「死亡した場合、自動的に蘇生され、安全なエリアまで連れ戻される」仕組みが適用されているということになります。

技術的なことは明確ではありませんが、”教会”が各々の拠点に設置されていることから、「蘇生と移動」については神から信託を受けている教会が国王から委託されていると考えられます。

教会側にどのぐらいの代金を支払っているのかは不明ですが、決して安い金額で請け負えるサービスでないことは想像に難くないことだと思います。

そしてリスタートに掛かる費用は雇用主負担であると考えられます。ラスボス戦まで全滅無しで進める優秀な勇者ならいいですが、小さなクエスト毎に全滅を繰り返すような「ぶきっちょな勇者パーティー」だと、王様の負担もかなりの額に跳ねあがるでしょう。

王様

おおなおきちよ、死んでしまうとは なにごとだッ!!

仕方のないやつだ もう一度 機会をあたえよう!!

というセリフは決して上から目線のセリフなどではなく、

オメ―、死ぬのマジ何回目よ。国家予算傾くよ・・・・(´;ω;`)

というのが本音ではないでしょうか?

ちなみに、死亡時に「所持金が半分にされるのが蘇生料」だと思っておられる方がいらっしゃると思うのですが、違います

行動不能=所持金を追いはぎされるために、おそらくはサイフごと盗難にあっていると考えるのが自然です。その証拠に、金庫に所持金を預けている場合、リスタートしても所持金は減りません

むしろ、死亡時直前までサイフに入っていた財産の半額をまかなう保険に加入しており、その保険金で補填されていると考えるのが自然でしょう。

とうぜん保険料の支払いは会社、まちがえた、国王です。

なぜ「勇者」が単独で作戦行動を行うのか

ドラクエの世界では、それぞれの地域に「国家」が存在ます。

そこへ世界の滅亡を目論む魔王が侵略してきました。

当然、各々の国家単位で反攻を行うのですが、魔王の侵攻を食い止める事ができず、世界地図がドンドン書き換えられていきます。

単独国家vs魔王=物量同士の合戦が行われていたハズなのですが、兵力差、あるいは人間では越えられない戦力差があり、なす術もなく敗北していきます。

正面突破の物量戦では歯が立たない事に気づき、少数精鋭を魔王軍内部に潜入させ、内側から切り崩す作戦にシフトします。これが勇者擁立の建て前になります。

例えるなら地球に衝突しようとする隕石に単独で立ち向かう「アルマゲドン」みたいな感じですね。

王様の脳内ではエアロ・スミスの“ミス・ア・シング”がえんえん流れていたハズです。

さておき、その作戦の肝になるのが、「ロトの勇者」の持つ固有スキルでしょう。

①死んでも教会で復活できる。

②仲間を蘇生する呪文を使える。

③特殊効果の付与された専用武器・防具を装備することができる。

④協力な専用攻撃呪文を持っている。

これらの能力を有する「勇者パーティー」で、魔王サイドの組織を内からかき回す作戦、それがドラクエの物語です。なんだか足でかき回す「沖縄水産野球」みたいですね。

そもそも「勇者」はオンリーワンなのか?

少数精鋭のパーティをたった一組、そこに世界の命運を賭けてあとは天命を待つスタイルは現実的にどうかという疑問にブチ当たります。

「ロトの末裔」と言えど、例えばドラクエⅤの主人公のように、「勇者としての素養をもたない子孫」も当然現れるわけです。

もっとタチが悪ければ、「ロトの直系」の親戚を持つ姉ちゃんの友達の知り合い・・・みたいに、なんの所縁もない者でも、

「ワイ、ロトの子孫やさかい、旅の準備金出しとくんなはれ」

みたいな金を無心したいだけの「輩」がひっきりなしに王様のもとに現れるでしょう。

「もろもろの保険料」などを度外視したとすれば、現実的に必要となる出費は120Gと国家の生産物である”松明”、”カギ”で済みます。

100パーティー送り出して、1組でもラスボス討伐を達成できれば王国の初期投資はたった12000Gで世界平和のリターンを得られるのです。なんだか、アフリエイトのシステムみたいですね。

以上のことから、「勇者ロトの血を引くもの」候補は同時期に大量に排出していると見るのが自然ですね。

合理的な魔王討伐を考える

さて、野に放った100組の「勇者候補」達ですが、その中で「真の勇者の素質」に目覚める者はおおよそ一人、奇跡の世代としても2人が関の山なことでしょう。

その1/100をそのまま最終決戦に向かわせるのは戦術としていかがなものかと思うわけなのです。

ドラクエのシステム上、パーティは最大で4人編成です。勇者候補とサポート役の仲間は全部で400人に上ります。ちょっとした企業の社員数に匹敵する頭数です。

「勇者覚醒」までにリタイアするグループが50%あったとしても、残った内訳としては、

1/4「勇者候補」=50人、1/4「戦士職」=50人、1/4「魔法攻撃職」=50人、1/4「回復職」=50人となります。

当然勇者の素質に目覚める時期は終盤でしょうから、リタイアせずに残った戦力は程よく育っているハズです。

覚醒した勇者を囲むように回復職、魔法攻撃職、前衛職の陣を引き、勇者の仕事は「死なないこと」と「闇の衣を引っぺがすこと」のみに徹するのが最善と思われます。※ドラクエⅢの場合

まずは勇者のみが執り行える「作業」を

「闇の衣」とは、大魔王ゾーマが纏っているいわゆる”バリアー”的な防御装備です。これを剥せるのは勇者のみですので、チャチャっと引っぺがして、安全圏まで後退して頂きます。

守備が手薄になったところを遠距離攻撃で削る

「勇者様のご尽力」の甲斐があって、大魔王の防御がかなり脆弱になりました。次のフェーズでは、膨大な敵のHPを出来る限り安全に削りたいところです。

ここでは「魔法使い」を三列に配置し、リロード時間を掛けないように攻撃魔法で飽和攻撃を掛ける「織田信長~桶狭間の戦い」方式が有効かと思います。

一度に数十発のメラゾーマが飛んでいく光景は壮観です。

陥落間際!!最終的な制圧の要はやはり歩兵です

HPもあらかた削り終え、敵はもう青色吐息・・・。最後のトドメは前衛職である「戦士」の仕事といえましょう。とはいえ、敵一人に対しコチラの戦士は50人。全員で馬乗りになるだけでたやすく仕留められるハズです。無益な血を流して剣の錆びにするのは「騎士としての美学」に反するのではないでしょうか?

勝ち方までスマートにこだわりたいところですね。

総括~

リアルな世界としては、役割をキチンと分業し、それぞれを連動させて動く「組織」が最もスマートに任務を遂行できるスタイルだと思うのですがぶっちゃけ、ゲームだと、ラスボス戦の1ターン目で「どうぐ」→「ひかりのたま」あとはずっと防御・・・ってまるで面白くないんですよね。

面白さを取るか、犠牲を出さない手段を取るかはプレイヤー次第ってことです。

これって、現実の世界、特に仕事のとらえ方としても当てはまる部分があるように思えます。

作業内容自体は複雑で覚えなければならないことがたくさんあるような業務内容でも、それらをバランスよくこなしていく事に面白みを感じることは多々あります。

逆に一日中流れてくるベルトコンベアーの検品作業がええんや、って人もいてると思います。

どちらが正解ではなく、どちらも正解ってことなのでしょうか?人間って複雑ですよね。

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